ありふれた奇跡 第七話

怖えぇぇ〜、岸辺一徳マジ怖ぇぇぇぇ〜(笑)。
というわけで、今頃「ありふれた奇跡 第七話」の感想を。


加奈(仲間由紀恵)を除く中城一家に取り囲まれ、父朋也から、鬱で入院したことや借金があったこと
まで暴露され追及される翔太(加瀬亮)。激しいショックを受けて帰る。


今回は人との関わりがしんどく感じる回でしたね。
朋也があれほど叱責したのは、女装が家族にバレない為の保身と、単純に娘を心配する親心の
両方だと思う。娘を諦めさせる為にかなり酷い言い方をしていたし、確かに、聞いててイヤ〜な
気分になりました。


ただですね。
今回朋也の発言で、翔太に借金があった等の過去が分かった時、私はちょっと驚いてしまった。
ドラマを見ている我々にとっては初めての情報で、普通は借金なんてあまりいい感情を持たない
わけです。それでも我々が、加奈と同じように翔太を応援したくなるのは、これまで見続けて、
翔太の人となりを知っているから。
でも、それを知らない中城家にとって、ほぼ初対面の席でそういった負の事実だけ並べられれば、
確かに翔太はとんでもないヤツということになるでしょう。


翔太は最後まで加奈の秘密を守り、その姿は凄いなあと思いました。
でも、最後まで、言われっぱなしだったのは少し哀しかったかな。
今は左官の仕事を頑張り、しっかり生活している。朋也には「お爺さんの庇護の元」とか言われてた
けど、それだって立派に生きていることには変わりはない。
翔太はこの点だけは、もっと語るべきだったんじゃないかなと思う。
何も言わなければ、彼の現在についても不安を感じるし、何より彼の人と成りが伝わらないのだから。


もちろん、言葉を尽くしたって分かってもらえないこともある。
実際、翔太の爺ちゃん(井川比佐史)は静江さん(八千草薫)に取り成すように頼みに行くが、
結局は断られる。孫の持つ美徳は世間では評価されずダメ人間扱い。翔太が哀れだと嘆く爺ちゃん。
でも、「事実」だけではわからない孫の良さや可能性を、きちんと自分の言葉で誰かに伝えることが
出来る爺ちゃんは、凄いなあと思いましたね。
年の功なのか、強さなのか、重夫(風間杜夫)や翔太には出来ないことをスルッとやってのける。


そういえば、今回、スナックのママ妙さん(宮田早苗)が、藤本(陣内孝則)に
「大事なことなら、私なんかに話したらダメよ」と言ってましたが、奥が深いお言葉というか・・・。
言葉というか会話って恐ろしい(笑)。
ちょっとした勘違い、言葉の足りなさや、解釈の違い等で、簡単に関係がこじれてしまう。
語るべき言葉と語ってはいけない言葉。打ち明けるべき相手や受け止めさせてはいけない相手。
普段会話を交わしながら、その選別って何気なくやっているけど、ついつい間違えてしまう時だって
あるでしょう。翔太達の騒動って、それが次々掛け間違って起こったように感じる。
加奈と知り合わなければ、翔太もこんなしんどい思いをすることもなかったんだろうけど。


そういえば、桂(戸田恵子)が復活していたのが、ちょっと笑えました。
おそらく、翔太の一件で「ヘンな男にひっかかった娘を守る母親」という役割が見つかったからだと思う。
躁状態というか、静江さんとともに必要以上にテンションあがってます。
次回はたぶん加奈の抱える事実が明かされるのだろうけど、中城家心配だなあ。もちろん翔太も。
(クーラン)