ありふれた奇跡 第四回

簡単に感想を。第四回もいろいろと面白かった。
意外にはまってた加奈(仲間由紀恵)と翔太(加瀬亮)のアイリッシュダンスや、
今日もおもろい田崎ファミリーとか(笑)。


しかし、今回の私的目玉は、戸田恵子演じる加奈の母親「桂」だ。
彼女が呟いていた「むなしいの・・・」という言葉が心に響いてしまったのだ。


今までの会話をみると、桂という人は、何でも器用にこなす人のように思える。
おまけに頭も良く、自分が娘に依存しすぎると思ったら、「人形づくり」の趣味を始めて没頭できる
世界を作り、しかもそれを見事にモノにして、作品展を開くほどの腕前になる。
ところが、今回、その人形作りの師匠立川(吹越満)と恋愛関係にあり、その立川が桂に何も告げず、
海外に拠点を移すつもりだったことが明かされる。
スマートに別れるつもりが、思わず感情が昂ぶり「情けない」と泣き崩れる桂。


この桂の一連の行動の根底には、常に「空しい」という感情があったような気がしてならない。
子供べったりにならないように趣味を持つ。しかし、本音は子育てを終え、家庭や家族の間にすら
「自分の役割」が見出せなくなっていたのではないだろうか?
立川との関係も「恋に落ちた」というよりも、「自分の人生、このまま終わってしまうのか」という
漠然とした哀しみから、始まったように見える。
これらは、彼女が本当は薄々感じている「空しさ」から目を逸らすための行為のような気がするのだ。


また、彼女はなまじ聡明な為、自分の人形にそれほどの作品的価値がない事を重々承知している。
ところが、人形展で桂の人形を買い取ったのは立川であることが分かり、彼女のプライドを傷付ける。
そして、遊びだったはずの立川との関係も、一方的に切られて無残に泣き叫ぶ。
聡明なはずの桂なのに、付き合えばそれなりの情が湧くという、男女の機微にまでは考えが
至らなかったのか?
彼女が薄々感じていた「なにか」から目を逸らすために始めたことの全てが中途半端で、
結果的に「自分の人生に対する空しさ」を自覚させてしまったように思えるのだ。


私は一応、桂の年代よりは下である。なのでまだ、そこまでの心境には達していないが、
年々そういう心持にさせられる回数が多くなっているのも事実だ。
そういった気持に陥った時、萎えて立ち上がれない自分やそれでも過ぎていく時間に
どう立ち回っていくのか、常々考える。桂の今後を見て是非それを見極めたい。


しかしですね!
これまで桂が「空しさ」を忘れる為にしてきた行為って、二昔前は男性がやってきたことなんですよ。
「趣味」とか、特に「不倫」とかね。
「これら」を女性に全部やられてしまうと、男性はどうするのかなあ。と思っていたら、
ん?予告でナンか写ってるぞ〜(笑)。次回も目が離せませんね! (クーラン)